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平等?不平等? [その他]

明日で,震災から100日目を迎えます。
あの日は,雪がちらつく寒い日でした。
今は,夏日にもなる日も出てきました。
がれきの多いところは,ハエや蚊,蜂などに悩まされている
毎日のようです。これから暑くなると食品の保存など
避難所では,かなり衛生面が厳しくなる状況です。
我が,石巻は,さっぱり,仮設住宅が間に合っていません。

さて,今宮城ではプールの使用が禁止されています。
表向きには,震災でプールを動かすための予算が厳しいと言うことになっていますが,
一部では,プールの設備が壊れた学校に対する配慮とか,
プール掃除のため,プールの水を流すと,下水があふれてしまうからとか
(かなり信憑性有り,市街地で,被災した学校の周辺の下水はまだ回復していない)
放射線が怖いからとかいろいろ言われています。

放射線対策の場合だったらしょうがないですが,
プールの設備が壊れた学校に対する配慮だった場合
被災した学校から言わせてもらえば,別に他の学校が入っても別に,いいですよ。
って感じです。かえって暑い中,楽しみにしているプールまで奪ってしまうのはどうかと思います。
うちが入れないのに,向こうの学校は入れて不平等だ!というつもりはありません。
少なくとも,他の学校には。

しかし,それが,一緒にいる場合は別だとおもいます。
校舎そのものが被災したため,他の学校に間借りしてる学校が県内にたくさんあります。
ほとんどの学校は,教室をお借りして,自分たちの学校だけで授業しているケースが多いのですが
一部の学校では,教室数の問題で元々のA学校の5年生の教室にA学校とB学校の5年生が
一緒に授業するというケースもあります。

そんな特殊なケースでも,3ヶ月目を迎え,最初は,よそよそしかった子どもたちも
すっかり慣れて一つのクラスとしてまとまってきました。
そんな中,私個人「?」と思うことがありました。

6月に入って,ようやく1年生を迎える会がありました。
そのなかで,自分たちの学校の校歌を発表する場面がありました。
被災した学校の児童は,ピアノ伴奏による発表をしました。
それが,当たり前だと思っていました。
しかし,我々が間借りしている,学校は,鼓笛隊による伴奏を行ったのです。
確かに,その学校は,校舎そのものは被災しておりません。
なので,楽器はしっかりとあります。
おそらく,毎年の迎える会でも鼓笛隊による演奏を行っていたのかもしれません。
しかし,それ以外の2校は,被災して楽器・楽譜など有ろうはずが無く,
演奏したくてもできない状態にあります。
でも,しょうがないよね。って気持ちになっていたはずです。
それなのに,その前で,自分たちはしっかりと鼓笛隊での演奏をしたのです。
自分は,はっとしました。
被災した学校の児童の気持ちはいかばかりでしょうか。
6年生は,今年最後でようやく楽器が使えるようになり,春に向けて一生懸命
練習していたでしょう。運動会で発表することを心待ちにしていたに違い有りません。
しかし,被災して楽器も流され,もし楽器があったとしてもとても練習する状況にはありませんでした。

演奏した学校にしてみれば,運動会でも披露する場がなかったし,
せっかく練習してきたのだから,1年生の前だけでも発表させてあげたいという気持ちがあったのでしょう。
確かにその気持ちもわかります。でも,自分たちだけで,生活しているだけならかまわないのですが,
それを見せられた他の学校の児童の気持ちも考えてほしかったと思います。

後で,上学年の児童が,「いいなぁ,うちも一生懸命練習したのになぁ。」
「楽器があればなぁ。」と話していたのが凄く悲しかったです。
保護者の方も,その状況をどう思うでしょう。

これは,あくまでも私個人が思ったことです。
子どもたち自身は,それほど気にならなかったかもしれません。
ただ,私自身凄く残念だったことは確かです。

誰か,鼓笛の楽器,支援してくれないかな。(これが一番いいたい(笑))

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ぱらむ

不平等
確かに感じますね

びょんさんの生徒たちは
普通、成長とともに味わう現実(不平等)を
数年はやく実感せざるおえなかった
悲しいけれど、きっとその現実をしらない子供たちより
たくましい大人になって行きますよ

悲しみは少ないほうがいい
でも、乗り越えると強くなれる

by ぱらむ (2011-06-18 08:37) 

びょん

・ぱらむさん
 今,ようやく慣れてきたときに,
 同じ教室にいるのは
 同じ体験をした仲間だけでない!
 と知らなくてもいい現実を突きつけられたわけです。
 あぁ,僕たちは居候なんだ。と。
 残念でなりません。

 これ以上,子どもたちにつらい思いをさせたくありません。
 3.11で一生分つらい思いをしているはずですから。
 
 「被災者の気持ちになって考えよう。」
 テレビで言っていますが,同じ町でも,無理なんですかねぇ。
 被災者といってもいろいろいるのでしょうがないんですかねぇ。
by びょん (2011-06-18 11:42) 

ぱらむ

びょんさん。
自分以外の人間の気持ちになれるか・・・
難しいことですよ。
他人の災難を見て、ああ、自分じゃなくって良かった・・・
それが一般的なレベルでの人の感情ではないでしょうか。

人間が2人いると、もうそこには不平等やらわがままやらが・・・
本当に平等を求めちゃうと、一人でいるしかなくなってしまう。

辛い思いをした子供は、きっと他人の痛みもわかる人に成長しますよ。
苦しみを知らないことが、幸せとイコールではないかもしれないのです。

還暦まで生きてきたおばさんの独り言です。
by ぱらむ (2011-06-19 10:21) 

びょん

・ぱらむさん
>辛い思いをした子供は、きっと他人の痛みもわかる人に成長しますよ。
これ,現地にいる自分も感じています。
一生分のつらい思いを,一日にして感じ,日々生きている子どもたち。
日とは誰かに支えられて生きていると身をもって感じたここ3ヶ月。
塾に通うよりも,ゲームをするよりもずっと
人間として成長しているんだと思います。

子どもたちに託された可能性を,大切にしていきたいと思います。

ありがとうございます。ちょっと楽になりました。
 
by びょん (2011-06-19 16:58) 

サナギン

ツイッター見ました!支援してくれる声があがったようで
本当によかったと思いましたよ(^^)
by サナギン (2011-06-20 14:24) 

びょん

サナギンさん
 おかげさまで,いろいろな方から支援の声が上がりました。
 先生たちも喜んでいます。
 でも,私がこうやってつぶやけるから拾ってくれる方がいて,
 手を貸してくれるのですが,そういうつぶやく手段のない学校なんかは,
 まだまだ,大変な状況にあるんですよね。
 つぶやいた者勝ちってちょっと複雑です。
by びょん (2011-06-20 19:58) 

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